お知らせ内容

実施年月日 2011年05月28日 
H23年度第1回目の社会適応訓練講習会を開催

社会適応訓練講習会(近江八幡市)
(公社)日本オストミー協会滋賀県支部では、平成23年5月28日(土)の午後、近江八幡市・男女共同参画センター(2F・研修室A)において、平成23年度第1回目の「社会適応訓練講習会」を開催しました。
講習会では最初に、滋賀県支部顧問医の松尾先生による大腸がんに関する講演『健康で長生きするために・・・大腸がんを理解する・・・』と題して、大腸がんは早期診断・早期治療が必要で、早く検査を受けることが大切な事、食事の種類やアルコール飲量で大腸がんのリスクが高まる事等の講演をお聞きしました。
続いて、警察官を定年退職後、手造り動物園を開園して動物との触れ合いを通して、命の大切さを訴え続けていて、また我々と同憂の仲間でもある有城様に体験談をお話し頂きました。体験談の概要を掲載します。
 有城さんは、41年間京都府警に勤務されていましたが、退職後「ボランティア110番動物園」を開園され、命の大切さを訴えて、北は岩手から西は広島まで、講演会を開催してきました。今回は975回目の講演会です。1,000回の講演を目指しています。そして有城さんは私たちと同じストーマの持ち主です。それだけではなく肺や肝にも転移しており半年〜2年の余命と告げられました。ご本人は「はっきり言ってもらえてすっきりした」とのこと。
しかし、更には奥様が若年性のアルツハイマー病を患っていて、奥様を連れてのトラックでの講演会行脚を進めておられます。勿論、動物の世話もしながら・・・・・・。「半年〜2年」を目標として生きていく事で、1分1秒を大切に生きて行けるそうです。1,000回の講演は単なる夢ではなく目標として達成しつつあります。
 奥様がアルツハイマー病になってから2年後に有城さんの大腸がんが見つかりました。この事実について、有城さんは神様がくれた状況だと素直に現実を受け止められました。そして奥様のおむつの交換や手を取ってあげるなどの介助を奥様と同じ目線でできるようになったと言います。子供相手にお話をするときは、子供と同じ目線で話してあげることが大事で、病気とも死ぬまで仲良くしていこうと考えておられます。講演会では、講演会の現場へ行ってから、聞く人の顔を見れば、その日に話すことが自然に出てくるそうです。               
 突然、話は変わりますが次のような意味深いことも仰っていました。
『旦那が、たまの日曜日にテレビで阪神の応援をしながらビールを飲んでいます。このとき?奥さんが子供に「お父さんとキャッチボールでもして来なさい」と言って、お父さんに子供と公園でキャッチボールをさせるか、?旦那は一生懸命働いて疲れているので、日曜日ビールでも飲んで休んで欲しいと考えて、子供を連れて公園へ出かけるか−、この奥さの対応の仕方で子供の性格は大きく違ってくる。』
『ある小学校で講演を行ったとき写生画を展示していました。その中で金賞・銀賞の写生画は、きれいかも知れないけども一般的で目立たない絵、金賞や銀賞をもらってない絵は人とは違った目立つ絵、これってどうなんでしょう。金賞・銀賞の絵はイヌの歩き方(右手・右足を別々に出す歩き方−他の人と同じように目立たない)です、金賞・銀賞をもらえなかった絵は
ネコの歩き方(右手・右足を同時に出す歩き方;人とは違った歩き方をする)です。因みにキリンも右手・右足を同時に出す歩き方です。背が高いのでキリンの足元を見ることはないでしょうが。』
『医者が「ご臨終です」と告げますが、何を確認して「ご臨終」と判断するのかと言うと、これは瞳孔が開いた状態を確認しています。刑事は犯人の尋問の時、向かい合って座ります。これは犯人の「目を見る」ためです。
嘘をつくと瞳孔が閉じるのです。正直に言っているときは、瞳孔は開いています。相手の顔を見て話すことが必要です。』
やはり相手を信じる、心を広く持って対応することが大切で、「サルも心を広げて対応すると、襲ったり引っ掻いたりしません。エサも手から取って食べてくれます。」と熱く語られました。有城さんはお巡りさんをしていた時から、交番に持ち込まれる小鳥や捨て犬などを保護してきたこと、滋賀県には傷ついた野生の動物を保護する施設がないことなどから移動動物園を開園して、釣り糸に絡まった白鳥を救ったり、多くの野生動物を救っています。今回の講演でも動物も含めて命を大切に、と言う有城さんの思いは強く伝わりました。
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有城 覚 さん公式ホームページ:http://www.eonet.ne.jp/~yenqoo/zoo110/index.html
有城さんはお見受けしたところ、本当にお元気そうで、余命2年と宣告された方とはとは思えず、ライフワークとしての講演1,000回に向け、挑戦し続けられています。今回が975回目。
皆さんの周囲で講演会を開催するチャンスがおありでしたら有城さんの活動に御支援をお願いします。(連絡先:TEL0748-33-9111、FAX:0748-33-9031)

松尾先生講演



有城覚さん体験談