お知らせ内容

実施年月日 2011年6月18日 
地域相談会(高島)を開催

 平成23年度1回目の地域相談会を6月18日(土)の午後に、高島市の安曇川公民館で開催しました。この地域相談会では最初に、公立高島総合病院の皮膚・排泄ケア認定看護師であります伊庭治代先生から、『ストーマ保有者の生活を支える在宅サービスについて』と題して講演を頂き、その後伊庭先生を囲んで懇談・相談会を行いました。講演では36枚ものスライドを準備されて、分かりやすく丁寧に説明頂きました。以下にその概要をまとめておきます。
◎退院して自宅へ帰るとまず生活環境の変化が起こります。
 ・ストーマ交換しやすい空間の確保などの工夫が必要です。
 ・食材によって便臭の強くなるものや弱くなるもの、便を軟らかくするもの固くするものがあります。また回腸ストーマの方は電解質を含んだ水分を消失するので、特に夏は脱水に注意が必要です。
 ・尿路ストーマでは尿量の低下は腎機能の低下につながります。尿はもともと弱酸性ですが、尿路感染を起こすとアルカリ性に傾き臭いも強くなります。
◎ストーマ保有者のこれからの不安。
 ・オストメイトに限らず誰もが老後には不安を感じますが、オストメイトの方は装具交換がいつまで出来るかなども大きな不安材料です。もし装具交換が出来なくなったら第3者の介入が必要になります。最近では在宅サービスを利用する方が増えています。訪問看護の利用は、場合によって(医療・介護保険)のどちらかを使います。デイサービス、デイケア、ヘルパーの支援は介護保険の範疇です。
 ・介護保険を利用するには「要介護認定」を受けなければなりません。(訪問看護を利用するには、介護保険を持っている場合は介護保険が優先になるので、医療保険は使えません)
 ・介護サービスには、身体介護中心(入浴、食事や排泄のお世話)と生活援助中心(買い物、洗濯、掃除など)があり、それぞれ費用が決まっています。
 ・居宅でストーマ装具の交換を行うには、訪問看護を利用できますが、皮膚の状態を確認して面板を張り替えるなどの医療行為はヘルパーさんには出来ないので看護師さんにやってもらう必要があります。
 ・医療保険での訪問看護を利用する場合は、週3回までで1回の訪問時間は30〜90分です。
 最後に「ストーマ装具交換の問題が生じたら、かかりつけ病院のストーマ外来に相談してください」と強調されています。
[本講演の詳しい内容は日本オストミー協会滋賀県支部の会報誌9月号に記載しています。