お知らせ内容

実施年月日 2011年12月10日 
社会適応訓練講習会を開催

 本年最後の県委託社会参加促進事業の「社会適応訓練講習会」を、12月10日(土)の午後、草津市のフェリエ(JR南草津駅前)5階 市民交流プラザ会議室にて開催しました。当日はオストメイト21名とご家族4名の合計25名の方に参加頂きました。
 講習会ではヴォーリス記念病院 いのち科 ホスピス長の細井 順 先生に『緩和ケアについて』と、滋賀医科大学医学部付属病院の皮膚・排泄ケア認定看護師であります河村 光子 先生に『オストメイトの災害対策』と題して講演をお願いしました。
 細井先生のご講演では、緩和ケアとは生命を脅かす疾患による問題に直面している患者さんとその家族に対して、疾患の早期より、痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処することで、生活の質(QOL)を改善するためのアプローチである、と述べられました。従って命を脅かすような疾患なら、診断された時から緩和ケアを受けることが出来ます。そして緩和ケア・ホスピスは患者さんの病気に対する思いを聞く傾聴から始まります。目的は、その一日にいのちを与えることです。そして先生はホスピスはいのちの臨床、つまり生死を超えたいのちの在りかを共に探し求め、永遠を想い、現在(いま)を生きる事、と位置付けられました。先生自身が腎がんの手術を受け、人生の目標が見えてきたそうです。
 河村先生は東日本大震災の被災地に出向き、被災者への援助と共に被災地をつぶさに見て来られました。オストメイトの装具交換場所がなく、またトイレが圧倒的に不足しており大変に御苦労をしていたそうです。この大震災を教訓に、どのような対応をすればいいのか、何ができるかを考えておくことが重要になります。そして平常時から「自分の身は自分で守る」と言う心構えが必要と訴えられました。一つは日常から家の中の安全な環境作りに心がける事(家具には突っ張り棒など)、二つは非常持ち出し品の用意、三つ目に避難所の確認、四つ目に情報の確保が必要です。非常持ち出し品は、私達オストメイトの場合は、食料や水など誰にでも必要な物以外に、当然ストーマ装具が必要不可欠です。少なくとも災害直後は救いの手が届きません。自助・共助が大変重要になってきます。
 最後に日本オストミー協会滋賀県支部の谷口支部長から、県や全市町に対して災害時の体制整備や装具備蓄への取り組み、福祉避難所への入所が出来るよう要望活動を行っているとの経過報告がありました。

細井先生講演



河村先生講演