お知らせ内容

実施年月日 令和7年7月19日(土) 
地域相談会を大津市で開催

地域相談会を大津市 ピアザ淡海で開催
日時:令和7年7月19日(土)  13時30分~15時30分
場所:大津市 ピアザ淡海  3階 特別会議室
アドバイザー:市立大津市民病院
          皮膚・排泄ケア認定看護師 大坪 有紀子 先生

 本年度の滋賀県支部行事としては、3回目となる地域相談会を、大津市
のピアザ淡海に於いて皮膚・排泄ケア認定看護師の大坪有紀子先生をお招
きし、参加者9名で開催しました。
 今回も、毎回好評を頂いていますサロン形式で行い、日常生活に於いて
の悩み事や相談事等に対して、経験豊富なオストメイトの方や、専門家(
皮膚・排泄ケア認定看護師)による適格なアドバイスを頂くという内容で
終始和やかな雰囲気での相談会となりました。
 その中で話し合われた内容を、簡単に下記にまとめてみました。
【自己紹介】
 まず初めに、当協会の八木支部長から開催の挨拶及び自己紹介が行われ
 その後、順次参加者による自己紹介とストーマに関する内容を話されま
 した。
【参加者による相談内容等】
1)老後の装具交換が不安
  老後の装具交換に対する不安は、多くの方が抱える問題です。特に介
  護が必要になった場合の交換が心配という声が多く聞かれます。
  しかし近年では、ストーマ装具の交換に関する制度や、介護職による
  ケアの範囲が拡大しており、適切なサポート体制を整えることで、不
  安を軽減することが可能です。
 ◎老後のストーマ交換に関する不安とその解決策
  〇介護が必要になった場合の不安 〇自分でストーマ装具の交換が出
   来なくなった場合の不安 〇ストーマケアに対する不安
  〇不安を解消するための具体的なステップ
   ・情報収集 ・相談  ・環境整備  ・自己管理
  〇まとめ
   老後のストーマ交換に対する不安は、適切な情報収集と相談、そし
   て必要なサポート体制を整えることで解消できます。地域の医療機
   関や介護事業所などを利用し、安心して老後を過ごせるようにしま
   しょう。
2)夏場での装具交換が多くなっている
  特に近年、猛暑日が続いているせいもあり、少し激しい動きが続くと 
  発汗が多くなり、日常生活用具の基準額では大幅に不足している現状
  です。現在使用しいる装具は、見易く貼りやすさを重視してツーピー
  ス(二品系)を使用していますが、1日で交換する場合もあります。
  〇対応として
   ・現在のツーピースから、ワンピースに変えてみてはどうか。
   ・ワンピースは、面板が柔軟なため軽く折り曲げることが出来るた
    め、ある程度貼り方を工夫することで、上手に貼れるようになる
   ・ワンピースに変えることにより、経費も30%~45%削減すること
    が可能。(メーカーや装具の種類によっては、価格が大きく変わ
    場合もあるので注意が必要。)
3)ヘルパーさんによる装具交換について
  現在、訪問看護サービスをお願いしている事業所では、ストーマ装具
  交換に関して理解してもらえない。
  ◎「厚労省からの通達で、合併症が無くストーマが安定している場合
   で専門的な管理が必要とされない場合には、ストーマ装具の交換は
   医療行為にあたらないとの判断がされています。同時に、厚生省は
   ストーマ装具交換には、教育を受けたものが望ましい。」との見解
   示しています。
  〇介護サービスの事業所によっては、徐々にではあるが「介護サービ
   ス担当者のためのストーマケア講習会」を実施して、取り組んでい
   る所も増えてきていますが、まだまだ実施できていない事業所もあ
   ります。
  〇ケアマネージャー等に相談すれば、対応をして頂ける事業所を探し
   てもらえる。
4)ストーマ装具の選択
  ストーマ装具の選択は、ストーマの種類、皮膚の状態、生活スタイル
  など様々な要因を考慮し行う必要がある。一般的には、ストーマの高
  さや周囲の皮膚の状態に合わせて、平面型または凸面型の面板を選択
  します。また、装具の種類やパウチの形状、サイズなども個々の状況
  に合わせて選ぶ必要があります。
  〇ストーマ装具の種類
   ・ワンピース型(単品系)  ・ツーピース型(二品系)
  〇面板の選択
   ・平面型     ・凸面型
  〇ストーマ袋
   ・排泄物の量や種類、皮膚の状態などを考慮して適切なものを選択
  ◎専門家への相談
   ストーマ装具の選択は、専門家(ストーマ外来の皮膚・排泄ケア認
   定看護師)に相談することが重要です。
   経験豊富な専門家は、個々の状況を詳しく評価し最適な装具の情報
   を提供してくれます。また、装具の装着方法や皮膚トラブルへの対
   処法なども教えてもらえます。
5)訪問医療について
  ストーマに関する訪問医療は、ストーマケアや皮膚トラブルを抱える
  患者に対して、専門的な知識や技術を持つ看護師が自宅を訪問し、ケ
  アや指導を行うサービスです。病院でのストーマ外来と連携し、継続
  的なケアを提供することで、患者のQOC向上を目指します。
  〇訪問診療におけるストーマケアの内容
   ・ストーマ装具の交換、管理 ・ストーマ周囲の皮膚トラブルケア
   ・排泄状況の観察と指導   ・日常生活の指導
   ・精神的なサポート  ・家族への介護指導 ・多職種との連携
  〇訪問診療のメリット
   ・通院困難な患者も、専門的なケアを受けられる
   ・個別性のあつケア  ・継続的なサポート
   ・家族の負担軽減   ・ストーマ外来との連携
  〇訪問診療を受けるための流れ
   ?かかりつけ医またはストーマ外来に相談⇒?訪問看護ステーショ
    ンに依頼⇒?訪問看護師との打ち合わせ⇒訪問開始
6)日常生活用具の給付基準額を増額してほしい
  現在の給付基準額では、まったく足りていないので何とかしてほしい
  〇(公社)日本オストミー協会では、給付基準額の増額に向けて取り
   組みを進めています。滋賀県支部に於いても、数年前から滋賀県の
   各自治体(19市町)に対して、給付基準額の増額を要望しており
   今年度8月までに、9市町に於いて増額が行われました。
   今後も、まだ増額されていない10市町に対して、要望を続けて行
   きたいと思っています。
7)ストーマ周囲に白いイボのようなものが出来ている
  ストーマ周囲に白いイボのようなものが出来る原因は、いくつか考え
  られます。最も一般的なのは、排泄物が長期に付着することで出来る
  肉芽(にくが)や、尿路系ストーマの場合、尿砂(尿中の結晶が固ま
  ったもの)が原因である可能性があります。また、稗粒腫(はいりゅ
  うしゅ)という良性の腫瘍が、白く見えることがあります。
  〇対処法
   ・肉芽の場合
    排泄物が付着しないように、皮膚保護剤やパウダー等で保護しま
    す。
   ・尿砂の場合
    尿砂が固まっている場合は、医療機関での除去が必要になる場合
    があります。
   ・稗粒腫の場合
    症状や部位によっては、圧出法やレーザーでの除去できる場合が
    あります。
  ◎もし症状が改善しない場合や、出血や痛みがある場合は医療機関を
   受診して下さい。
  ◎ストーマ装具の選択や貼り方によって、皮膚への負担が軽減できる
   場合があります。装具の種類や交換頻度や貼り方について、ストー
   マ外来を受診し、皮膚・排泄ケア認定看護師に相談することをお勧
   めします。