お知らせ内容

実施年月日  
厚生年金の障害者特例について

オストメイトは報酬比例部分の支給開始と同時に満額給付
 皆さん方の多くは既に年金を受給されていると思いますが、オストメイトでこれから厚生年金を受けられる方や比例報酬部分だけの年金を受けられている方は必読です。
●はじめに
厚生年金(正確には老齢厚生年金)の年金額は、報酬比例部分相当額と定額部分相当額を合算したものとなります。老齢厚生年金については昭和60年に法改正が行われ、改正前までは厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あれば60歳から合算した(満額の)年金が受けとれましたが、この改正で65歳にならないと満額の年金が受取ることが出来なくなりました。
この改正ではこれから年金を受ける人には大変不利益となることから、特別支給の老齢年金が特例的に支給されましたが、平成6年の法改正により満額の年金の支給開始年齢を下表のように生年月日に応じて1歳ずつ段階的に引き上げ、60歳から支給開始年齢に達するまでは報酬比例部分のみの年金が支給されることとなりました。(表−1参照)

さらに、平成12年の法改正にともない、報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に引き上げられ、最終的には特別支給の老齢年金は廃止となり老齢厚生年金に一本化され65歳からでないと厚生年金は受取れなくなりました。(表−2参照)

●厚生年金の障害者特例
 これからが本題ですが、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれたオストメイトは厚生年金の障害者特例で、請求のあった翌月から定額部分と比例報酬部分を合わせた満額の年金を受取ることが出来ます。
これは、厚生年金の障害者特例で「男性は昭和36年4月1日、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた特別支給の老齢厚生年金を受けることができる者が、受給権が発生した当時において、被保険者でなく(厚生年金保険を払っていない)、かつ、障害等級1級〜3級に該当する程度の障害状態にある場合、その者の請求に基づき、当該障害者特例の請求のあった翌月から定額部分と報酬比例部分を合わせた額が支給される」ことによります。
ただし、多くのオストメイトは障害者手帳の障害等級は4級のため対象外と思われがちですが、厚生年金の障害等級と障害者手帳の障害等級は同じでは無く、オストメイトの厚生年金における障害等級は3級となってるため障害者特例が受けられます。
障害者特例を受けるに当たっていくつかの注意事項があります。

?早めに準備をして請求手続きをしましょう
 厚生年金の障害者特例の年金は、「請求した翌月分」から支給されます。請求手続きが遅れた場合、過去の分の遡及支給はされません。
 1日遅れで1ヶ月分の支給が遅れることもあります、早めに準備をして下さい。

?請求には専用の請求書や診断書が必要です
 障害者特例の厚生年金を請求するためには、「特別支給の老齢厚生年金受給権者特別請求書者」という専用の請求書や、1ヶ月内作成の「診断書」(障害年金請求用)が必要です。お近くの年金事務所で用紙をもらって書き方や申請手続きの説明を受けられようお奨めします。

?必ず年金事務所の出かけて手続きを
 年金事務所では厚生年金の請求時に、障害の有無、障害者手帳による障害内容の確 認を実施してくれているようですので、ご自身で年金事務所に出かけて手続きされるようお奨めします。

?下記のような方は特に請求洩れがないか、今一度確認を!
 厚生年金の障害者特例は余り知られておらず、また余り目にするチャンスもないため見過ごされがちで、特に60歳ので通常の年金申請をした後にオストメイトになった方や、専業主婦で厚生年金の受給資格のある方は注意が必要です。
最近支部会員であった請求洩れの事例を参考にして下さい。

事例1:60歳で定年退職、64歳からの厚生年金受給前の特別支給の年金を受給(比例報酬部分)していて62歳でオストメイトになったが、障害者特例を
知らずに受給が約1年遅れた。(教えてくれる人やチャンスが無かった)

事例2:会社勤をして結婚、57歳の専業主婦がオストメイトになった。60歳になったので厚生年金の受給手続きをする時に、障害者特例のことは知らずに年金の繰上げ請求の手続きを金融機関に代行依頼、一応障害者である旨を告げたが代行者の理解が無く障害者特例の申請がされず、60歳から繰上げ給付の年金を受給、年金額が少ない状態が継続する。(60歳時点で教えてくれる人がいなかった、代行者の理解不足、年金事務所で手続きすれば防げたかも知れません、現在再請求の審査を依頼しています)

満額の年金の支給開始年齢



報酬比例部分の支給開始年齢